弥重早希子(やしげ さきこ)/Yashige Sakiko
JOB:脚本家
シナリオ・センター大阪校出身
第45回城戸賞 佳作を受賞 受賞作品は「邪魔者は去れ」
弥重さんによると、この受賞作は「バッシングに遭う主婦がその注目を楽しみだしたら?」
そんな不謹慎な妄想からスタートした企画なんだそうです。
作品を読みました。
ネタバレしないようあらすじまでにとどめますが・・・弟の告白に驚きの展開でした。
では、あらすじをどうぞ。
邪魔者は去れのあらすじ
小学校の教師をしている麻生美奈子(29)は、結婚も控え平凡ながら幸せな毎日を送っていた。
そんな折、弟の卓人( 25) が、ボランティア活動目的で渡航したシリアで過激派組織に拘束されたことを知る。
卓人と言えば、やんちゃだったが、ボランティアなんて全く無縁だと思っていた。突然の知らせに動揺する美奈子や母・妙子( 60) 。
事件は世間を騒がせ始め、美奈子や妙子、卓人は一躍、注目を集めてしまう。
無事に帰国することができた卓人だったが、帰国後の会見で卓人があくびをしてしまったこと、
また会見で無言を貫いたことを契機に、世間は卓人をバッシングし始めた。
ネットに拡散する情報は、卓人のことだけではなく、家族・美奈子のことにも及んだ。
連日メディアに追いかけ回される日々がスタートしてしまう。
そんな中、母・妙子に異変が現れ始める。
妙子は一見突然大きな事件に巻き込まれ、うろたえている普通の母に見えた。
しかし、母はマスコミが自宅に来る度、派手な化粧をするようになる。
自分が“出演”しているテレビ番組の録画に夢中で、見入る日々。
事件の直前に、白内障を患い、手術をしたが、帰り道に視界が悪くなり立ち往生。
老いていく自分、平凡な毎日……、そんなところへ、急に舞い込んで来たバッシングという名の「光」。
妙子は、カメラのフラッシュにやられた。
平凡な毎日なんて、もうごめんだ。
それならば、叩かれていたい
城戸賞応募脚本候補作品より