日本演出者協会の若手演出家コンクールとは?受賞者・作品には劇場での公演も!

日本演出者協会の若手演出家コンクールについて


今回は、日本演出者協会の若手演出家コンクールについてご紹介。

日本演出者協会は、1960年に設立された日本における唯一の専門的舞台演出者の協会です。
設立の目的は、「社会的・経済的・芸術的地位の確立、芸術的能力の向上のための研究・芸術上の相互援助をはかることを通じて日本演劇の発展に資する」とされています。

「演出」ではなく「演出」とされている理由は、初代理事長である村山知義さんの理念によるもので、「演出は単なる職能であり、またプロもアマチュアも参加できる」という考えからとのことです。素晴らしい考え方ですね。演出家を目指していた多くの人に門戸が開かれたことでしょう。

その日本演出家協会が若手育成のために主催しているのが「若手演出家コンクール」です

応募資格は、自分を若手 (新人)と思う演出者
※最終審査期間<2021年3月 2日(火)~3月7日(日)>参加可能であること

これだけです。まさに理念通りですね。

コンクールの賞は以下の通りです。

日本演出者協会より優秀賞の4名には10万円
最優秀演出家賞1名には賞金50万円
最優秀演出家による記念公演<2022年3月予定>

昨年の受賞作品

最優秀賞は、埼玉県出身の深谷晃成さんでした。
作品は、第27班presents「フカタニキカク」

最終審査は、公開審査会になるのですが、下記8名の審査員にて審査されています。
鵜山仁(文学座)/加藤ちか(舞台美術家) /篠﨑光正(電劇) /シライケイタ(温泉ドラゴン)/日澤雄介(劇団チョコレートケーキ) /平塚直隆(オイスターズ) /松本祐子(文学座) /山口宏子(朝日新聞記者)  
※今回4作品の観劇が出来なかった鐘下辰男(THE・ガジラ)はオブザーバーとして審査会に出席。

最終審査投票結果 若手演出家コンクールHPより 



このコンクールの特徴は、最終公開審査で観客投票による観客賞があるところなのですが
今年度の審査会は、残念ながら新型コロナウィルス感染拡大防止のために非公開・無観客での上演審査となってしまいました

深谷さんの作品は、来年度に下北沢「劇」小劇場において受賞記念公演が予定されています。
来年度のコンクールと一緒に楽しみに待ちましょう。

最後に、事務局の西沢氏から若手演出家に向けたメッセージがありましたので掲載しておきます。
厳しい時期を乗り越えて、以前のように演劇を楽しむことが出来ることを祈りつつ。

「若手演出家のみなさんへ」
こんな御時世に演劇のコンクールを開催するのはいかがなものか、という迷いもありました。
しかし、全国の若手演出家の、ひとつの突破口になるかもしれぬと思い、とにかく決行することにしました。
昨年度の最終審査上演は、無観客で行いました。今年度もどうなるかはわかりません。
けれども、その中で最善のやり方を模索していきます。
審査に関しては従来通りの方法が前提ですが、参加者の劇場上演や稽古場上演が困難であることも十分予測されます。
そのため現在、オンラインやビデオ審査なども含めた、新らしい形態も考えているところです。
けれどもですね、勝手ながら別な言い方をすれば、若手よ、これをチャンスに変えていただきたいのです。
コロナ以前にはもう戻れません。
だからこそ、これからの新しい世界を描く演出家を、新しい表現のカタチを模索してくれる才能を、私たちは求めています。
みなさんのご応募お待ちしてます。
若手演出家コンクール事業部長 西沢栄治

若手演出家コンクールHPより